これはいい映画です。最終回にやっとこさ観にいけました。最終回なのに人多し。いい作品の証拠といえよう。観にいってよかった~~。
プロットは、いい映画になる鉄板、というもの。つまり「映画っていいよね」というのと、映画の主人公が現実社会に出てきちゃってさあ大変、というのと。映画の主人公が現実に出てきちゃって、というの、有名なのは「カイロの紫のバラ」ですよね。「ラスト・アクション・ヒーロー」もそうか。「映画っていいよね」の場合は、「アメリカの夜」や「ニュー・シネマ・パラダイス」とか。そんないろんな映画の好きなシーンが、観ていると、何となく頭に浮かぶのだ。しかし、この映画、結末が、こう来たかあ~~~!というあたりが、いいです。相当考えて創ったんだと思う。昭和の映画の栄枯盛衰がさりげなく描き込まれているのもいい。
綾瀬はるかさんが素敵です。昭和のレトロファッションが凄く似合ってて可愛らしい。で、いかにも映画の中の人風な、どこか現実離れしている感じも。相手を務める坂口健太郎君もいいです。一途な感じがいいなあ~~、と。
で、びっくりしたのが加藤剛さん。うわっこの役かあ~という、重要な役どころです。北村一輝さんもいい。要するにミスキャストがないんですね。
この映画は衣装もそうだが、美術が優れている。大事な舞台の一つ「ロマンス劇場」なる小映画館が実に可愛らしくて。色付きのブロックガラスなんかしゃれててセンスがいいなあと。こういう映画館でデートなんか、いいですよね。そう、この映画はしっかりした恋愛映画です。究極の純愛もの、ともいえる。古めかしいお話だけど、映画だもの、別にドロドロ関係なんか見せる必要ないですよね。
主人公の男の子がうっとり見ていた映画は白黒なので、それがカラーに変化するのが、とても劇的で見事。こういう演出は「ベルリン・天使の詩」にありましたが、より美しく感じる。ロケした場所もね、よくまあ見つけたなあ、というようなきれいな場所ばかりなんですよ。あしかがフラワーパークは、確かに絵になる場所ですが、ああいう風に撮られるといいです~~。
観ながらふと、「ラスト・アクション・ヒーロー」の1シーンを思い出しちゃいました。主人公の男の子に連れられて、映画から出てきちゃったシュワちゃんが彼の家に行くのだが、その家はNYの低所得者ってこんなひどいとこに住んでるのか~~、という極狭アパート。シュワちゃんが椅子に座ると、空間がなくなっちゃうんですよ。そこでシュワちゃんは男の子のお母さんに会う。シングルマザーの彼女の唯一の贅沢が、朝、モーツアルトを聴きながらご飯を食べること。シュワちゃんはそれにぐらっと来るんですよね。でも、映画の中の人物は、結局は映画に帰らなくちゃならない。
しかし、この映画ではどうなるでしょうか?教えませんよ~~。
公式サイトP.S この映画は入れ子構造になってて、劇中映画に本当の映画が出てきます。「カサブランカ」とか、タマラン!!脚本も実にしゃれてていいと思います。あと、オリジナルの映画もあるのだけどおそらく、「当時の技術」で撮影している。こういうの、意外と難しいはずです。細部に手抜きがない、のが凄いと思います。