ル・シネマでかかる映画、今までいいなあと思ったことないんです。観たのはむかーし「さらば、わが愛/ 覇王別姫」と「愛を弾く女」。「覇王別姫」は一般的には傑作とされてますけど、自分的にはチンプンカンプンで、結局文化大革命かよ~~、バカバカしい、で終わっちゃった。「愛を弾く女」は、エンドクレジットになった途端に立ち上がって出てった約10人の中に自分と友達が。あたしゃヴァイオリン弾き、友達はチェロ弾きだったもんだから、エレベーターの中で怒りまくり「なんだ!あの煮え切らない男は

」から始まって「なんだあの女は!!弾いてないじゃないかよ~~~

」まで。なにしろこの映画、主演女優さんがなんとラヴェルのヴァイオリン曲を実際に演奏してます、が触れ込みだったわけ。そんなバカな、シロートが、いくら役者でもそんな事できるわけない、と疑いつつ観て、しかもすぐ吹き替えだと分かっちゃって。楽器の演奏シーン、特にヴァイオリン系の弦楽器は、ちょっとでも楽器をいじったことのある人間ならすぐ突っ込める、くらいごまかしがきかないんですよ。
しかーし今回の映画は、とんでもなく巧いカリスマヴァイオリン弾きであるところのデイビッド・ギャレットさんが主演、ということで、少なくとも、演奏は本物だろう、と。この方は、マイケルつながりで知った人で、日本ではこの映画のおかげでようやく知られるようになったけど、ヨーロパじゃ既に大人気、なにしろストラドでマイケルをガンガン弾いちゃう人だから!!垣根なく何でも弾いちゃう、ヴィヴァルディからマイケルまで。凄い人なんですけど。
で、観た感想は・・・・・・・。やっぱり、ル・シネマの映画って自分に全然合わないわ。
要するに200年前のマイケル・ジャクソンのような話です。マイケルはこんな自堕落な人じゃないけどさ。しょーがないパガニーニ氏と彼を仕切るマネージャーとの確執が縦軸で、女関係が横軸。で、煮え切らない。こういうぐちゃぐちゃ話がル・シネマの得意技なんでしょうか?もうね、途中で話はいいから弾け!!なんて思っちゃいました。確かにパガニーニ役にデイビッド・ギャレットさんはピッタリですけど。パガニーニの曲がああも簡単そうに聴こえるんだから、凄いやね。
ということで、この人の魅力は映画じゃ出せないな~~~、が結論。ル・シネマには二度と行かないでしょうね。狭いし、音響もイマイチだし。渋谷も嫌いだし。人が多過ぎ。
公式サイト デイビット・ギャレッド with オリアンティ!