70代、男のサイクリングの記録です。 日常の出来事や雑感も書いています。
 
2017/03/21 21:45:12|歳時記
陽炎(かげろふ)
春の日。強い日差しのために空気の密度分布に異常がおこり、ゆ

らゆらと物の形がゆらいで見える現象。この陽炎のさかんなとき

は炎のように燃えて見える。春に多く見られ、麗らかな情趣のた

めに春の季題となった。


   陽炎より手が出て握り飯掴む   高野ムツオ


俳句は表現された文字の中で鑑賞するのが原則であるが、句によ

っては作者や作句時の背景などを加味して鑑賞することがある。

この句の作者は東大震災と大津波を体験した人であり、この句は

その当時の避難所での嘱目吟だという。「陽炎より手が出て」と

不気味な表現になっているのは、余震におびえながら過ごしてい

る人の心情を「陽炎」に託して詠んでいると鑑賞することが出来

る。


   陽炎はわれかそれとも露の世か   うさぎ


ゆらゆら揺らいでいるのは我自身なのか、それとも「露の世=現

世」なのか。陽炎という異常な気象条件の中に身を浸しながら、

そんな状況下を見渡している。現実と幻想が一体となって別次元

の未体験をしているような感じの句である。






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