朝7時にホノルルのコンベンション・センター裏アラワイ運河沿いの公園で行う気功体操(気功体操と個人的に呼んでいる)に毎朝出かけ、身体を動かすことが習慣となった。現地の人達は、この気功体操のことをQigong(気功)と呼んでいる。気功(Qigong)を辞書で調べると「中国の伝統的な心身の運動と瞑想の一種で、平衡感覚、柔軟性、筋力および健康全般を改善するために、意識的に呼吸しながら、精神を集中して、ゆっくりと正確な動作を行うもの」、「中国古来の健康法のひとつ。深呼吸と体操とによって体内の気と血のめぐりをよくし,病気の予防と治療とをはかる」、「健康法として太極拳と同様公園などで広く行なわれている」などとある。太極拳と同様に『気功』というのは、どちらかというとゆっくりした動きではないかと思っていた。 ところが、アラワイ運河沿いの公園で行う気功は、ゆっくりした動きもあるが、手足、胴体、頭を速く動かす場面も多々ある。日本のラジオ体操のようなところもあるので「気功」と「ラジオ体操」を合わせ「気功体操」と名づけ、毎日熱心に気功体操を行っていた。 写真に見るようにアラワイ運河沿いの公園は細長く、道路が半分ほどの面積を占めている。そのため、朝早いとはいえ、この道路は通行人が通るし、ホノルルマラソンの季節になると練習するランナーも走り抜ける。また、セグウェイに乗った観光客の集団も早朝にもかかわらず通ることがあるし、犬を散歩させる人もいる。そのため、気功体操に参加する人達は、道路脇に立って身体を動かしている。参加者の顔ぶれは、ハワイ、韓国、中国、日本、フィリピン、ベトナム、アメリカ、カナダなど多国籍の人達である。この気功体操は、リーダーが1人運河に近い側に立ち、ただ一言「Good morning」という言葉を発し、気功体操を始める。そのリーダーの姿勢、動きをまねして参加者20人~30人は手足、身体を動かす。
参加するために身分を登録するとか会費を納めるというような決まったルールはない。通りがけの人が参加してもよいし、黙って遅刻・早退してもよい。参加者の何人かは勤め前に30分ほどここで身体を動かしてから勤めに出かける人もいる。ルールといえば、朝7時丁度に必ず始まり、8時に終了するということだけである。ラジオ体操のような音楽と指導の音声はなく、1時間身体を動かした後は、お互い頭を下げ、「Thank you」と礼を言って流れ解散する。このとき、朝食に誘われる時もあるし、暫くここ路上で立ち話をすることもある。ドライブに行かないかと誘われる時もあった。雨の日は、コンベンション・センターの軒下へ移り行う。リーダーが都合で休むと、ノートパソコンを誰かがもってきて、過去に撮影しておいたリーダーの気功体操の映像を映し出し、それを観ながら気功体操を行う。 ポットラック(potluck)と言って、「ありあわせの食べ物。また,参加者各自が食べ物を持ち寄る」パーティーが何ヶ月かに一度ぐ開催される。これは、自分が作った料理、出来合いの料理、お菓子、ジュース、水、サラダ、紙コップ・皿などを持ち寄り、写真下で参加者が座っているコンクリート土手をテーブル代わりにして料理を並べて立食する。こうした催し物があるお陰で、現地の人達との交流ができ、知人もできる。ここで、知り合った仲間が車で買い物あるいはノースショアドライブに誘ってくれることもあるので、とても良い仲間達に恵まれ、参加して良かったと思っている。 この気功体操がなぜ我々を夢中にさせているのかよく分からない。言えることは、しっかり全身運動したので、非常に気持ちがいいことで、ホテルに帰りベッドに身を横たえると2、3時間の深い睡眠ができことである。目覚めると朝の気功体操の疲れは全くなくなり、不思議なくらい仕事をする元気や買い物に行く元気が湧いてくる。【2018年12月14日】 平成31年3月11日(月) 自宅にて記す |