やはり直接お会いしたことのある方の本というのは
読んだときにより一層伝わるものがあるというか感じるものがあるというか
田向先生の本を読ませて頂くとほんとにもうなんていうか
「スミマセン…」という気持ちになってしまいますね、ハイ
私こそいわゆる「困った飼い主さん」の代表といってもいいくらいでして
初めてお伺いした時のことを思い出してもなんかもう
トラウマ的な感じで穴があったら入ったまま二度と出てこないかもしれません。ヒー
今だからやっと、書けるようになったというか
人に聞いてもらった方が、自分の気持ちがすっきりしそうなので
お話しさせて頂きますが…
それは琵琶湖が亡くなった時のことです。
もうかなり危ない状況で、今すぐ病院に行きたいけど
時間はもう診療終了間際、翌日はあいにくいつもかかっている先生が臨時休診で。
その時かかっていた病院の他に、爬虫類を見てもらえる病院として
以前に、お世話になっているお店の方から教えてもらっていたのが、
田園調布動物病院でした。
自分で調べてみても、自力で行ける範囲の
爬虫類も診ていただける動物病院で
予約なしで診ていただけるところはこちらの病院だけでした。
電話して聞いてみたら、翌日診てもらえるとのことだったのですが
翌朝、もう琵琶湖は亡くなっていたんですよね…。
今思い出しても、あの時はもう精神状態がおかしかったですね 「私が飼ってたら他のコもきっとみんな死ぬ」
ぐらいに思ってました。
そりゃーいつかは死んでしまうのは確実なのですが
そうではなくて、もう今すぐみんなバタバタ死ぬ。ような気がして。
電話して「昨日のコはもう亡くなってしまったのですが
診て頂いて、今後の飼育のアドバイスを頂いたりできますか?」
って聞いたのは覚えてます。そしたら
電話にでた方が先生に聞いて下さって、
「飼育している他のコも連れて来てもらえれば診ますよ」
って言ってもらったんです。
今思うと、ほんとに親切な先生だなーって…
もう死んじゃってて、しかも自分が診てたわけでもないコなのに
まあだから「他のコを連れてきてもらえば」ということなのでしょうけど。
でもそれでまず飼い主が、精神的に救われましたね…。
死んだコを病理解剖しても、ほとんど原因はわからないということは、
もんちゃんが亡くなった時に
かかりつけの先生から聞いてわかってたんですけどねー…
いてもたってもいられなかったというか
冷静な判断ができない状態だったんですね
で、その時調子を崩してて様子がおかしいと思ってた多摩湖を連れて行ったら
多摩湖の砂づまりがわかったわけなのでして
結果的に、多摩湖は助かったわけで…それは本当によかった…
もうその時の先生とのやりとりを
まるで再現VTRを見るかのように、他人事のように、覚えています…(ワスレタイ)
診察室に入ったら助手さんのような人がたくさんいて(3人くらい?)
(もしかした研修とかだったのかなあ…なんて後から思いましたが)
その時点でなんかちょっと「うぉ!?」ってなって緊張感がMAXに。
とりあえず琵琶湖の遺体をみていただきましたが
「もうこうなってしまうと、何もわからないよね…」とおっしゃられて
「そ、そりゃそうですよねーーーーー!!スミマセーンーーー!><」
と内心思いながら「なにやってんだ私はーーー!!!」という気持ちで
その瞬間に頭の中が真っ白に。
もうあとはグダグダ; ;
(問診票に「この病院を知ったのは、紹介で」にマルしていたので)
「紹介はどちらから?」ときかれて、
お店の名前(結構有名なアクアショップの支店)が咄嗟に出てこなくて
「えーーーとぉー…あのー…××ホーム(地元のホームセンター)に
入ってるペットショップなんですけどーー…○○さんていう方なんですがぁー…」
そんなこと言っても先生にわかるわけないぢゃないかーーーーッ
そもそもそれは「紹介」ではなくて「教えてもらった」だけなのではーーー!?
(↑心の叫び)
頼むよ自分ーーーしっかり先生とお話してよーっ
変な飼い主だと思われるよぉぉぉーーー!
(↑手遅れ・そして実際に変)
もともと私は人との会話が苦手(コピー機やプリンターとなら得意)なうえに
初対面の人と普通に話すという能力が著しく欠けている人なので
完全にパニックになっていましたね…
でも、そんなアヤシイ飼い主にも、先生はちゃんと説明して下さいました。
レントゲンもちゃんと見せて頂いて。
「砂はやめたほうがいいね」というアドバイスもいただきましたし。
パニック状態ではあっても先生のお話はちゃんと聞いていましたので!ハイ!
本当にもう、多摩湖もしっかり診ていただいて
ありがたかったです(*> <*)
とはいえ、帰り道はもう…来るとき以上に呆然としていたような…
琵琶湖のショックはもちろん、多摩湖のショックも重なり…
そしてグダグダな自分…(←そこか)
多摩湖の様子を見ながら数回通院している間に、
院長先生が著作を何冊も出されていることを知ったので
読ませて頂いたのですが(「珍獣の医学」「珍獣病院 ちっぽけだけど同じ命」)
まあーーーーヘコみましたですね
「困った飼い主さん」そのものだな、と思って。
自分の甘さというか、飼い主としての姿勢の甘さを
ズバリ指摘されたような気がしました。
そしてまたそれ以上に、動物を思う気持ちの強さに、心打たれました。
アマガエルの開腹手術とか…
カメの開腹手術の新しい手法の開発とか…
ふつうならやらないかもしれないようなことを、やってみる、
とにかく、今目の前にいる動物をなんとか助けよう、という強い気持ち。
命に真正面から向かい合う姿勢。
ヘコんだけれども、立ち直るチカラも頂いたような気がします。
というか素直にこのままじゃダメだーー!と思ったのです。
新しい本も読ませて頂きまして…またヘコんだり…
というか今度は、「きっと私と同じような飼い主さんていっぱいいるんだな…」
と、ちょっと安心してみたり…(ヲイ)
先生ご自身も「自分の飼っている動物の体調がわるいとあたふたしてしまう」
と書いてあるのを見ると、内心ちょっとほっとしてみたり…
この本は、獣医さんと飼い主さんの橋渡し的な内容になっていると思いました。
飼い主は、獣医さんの思っているコト、なかなかわからないもので…。
この本を読んでみて、「そうかー!先生はそういうお考えで…なるほどー!」
と思うことがたくさんありました。
たとえば、飼い主にしてみればつい「大丈夫でしょうか?」って聞きたくなってしまう。
私なんかすぐ「コレ大丈夫ですかね?ね?」って聞くタイプ。
でも、もしそこで先生が「大丈夫とは言えません」って言ったら
飼い主としては
「大丈夫じゃないんですねーーー!?=(イコール)ダメなんですねーー!?
」
ってなりそうですよね…(←いかにもなりそうなヒト1名)
でも、先生にしてみたら、安易に「ハイ、大丈夫です」とはいえないんですね。
それは、なんの根拠も証拠もなく「大丈夫」とは言えないから。
言われてみれば、確かにそりゃそうですよねー、と納得できることなのですが。
もう心配で心配で病院に連れてきている身としては
やっぱりついつい口に出てしまうのが「大丈夫ですかね?」なんですよね。
なんというか、獣医さんと飼い主さんとの間にある、
そういう「溝」みたいなものを埋めてくれる本だと思います。
動物病院に連れて行きたいけど迷ってる…とか
動物病院っていいイメージがなくて…という方に
ぜひ読んでいただけたらと思います。
もちろん、考え方は人それぞれなのでいろいろご意見もあるとは思いますが、
私はこの本を読んで、
獣医さんて、そういうことを考えながらお仕事してるんだな、とか
飼い主が思ってるより、もっともっと獣医さんは大変なお仕事で
飼い主が想像しているより、きっともっとずっと
動物のこと、そして飼い主のことを想ってくれているんだと思いました。