シネマ日乗

最近映画熱がやや復活。旧シネマ日乗から、こちらに乗り変えます。 原則として、アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。その辺、ご留意ください。
 
2023/11/21 10:11:00|映画 あ行
犬神家の一族(1976年版)
 YOUTUBEの無料配信で。最近多いですね。こないだ、NHK版を見たばかり、それもかなり面白かったんですが。

 全然古びてないのに驚きました。撮影も、陰影や光を強調する市川崑氏の得意技が効果的で、ホラー風の味付けもナイス。かなり怖くて、ビビってしまった。このお話はもう何回も見てて、ストーリーも結末も大概分かってるはずなんですけども・・・・・。

 で、結構情報量が多いのにもビックリ。要は戦争が人に何を及ぼしたのか?が主テーマなんだと思うんですが、犬神佐兵衛って人が財を成した理由が「麻薬」。こりゃね、今なんかタブーっぽくなってますけど、自分が子供の頃は覚せい剤なんか「ヒロポン」なんて俗称があったくらいだもんね。麻薬を戦場に送りまくって金儲けしたということで(この辺は、漫画の「満州アヘンスクワッド」に詳細が描かれてて、ホントえぐい)、ヤクでも吸わなきゃやってられなかったんでしょうし、結局復員した人にヤク中患者は山ほどいたんだろうなあ、と思わされる。

 で、その一種小汚い大金を遺産として誰が引き継ぐのか、を決めた遺言書がキチガイじみた内容で、その後バタバタ殺人事件が起こる。誰も、「こんな金いらんわい」ってならないからなあ・・・・・。

 色んなトリックとか、推理小説としての仕掛けもかなりうまいので、引き込まれますが、総じて犬神佐兵衛って人のしょうもなさ、そんな奴に振り回される身内、という構図は、小レベルなら今だってごまんとある話。だから、古びないんでしょうね。

 あと、毎度思うんだけど、金田一耕助さんって、そんなに名探偵?だって、全部事が済んじゃってから謎解きしたって遅いじゃんか〜〜〜。







2023/11/18 21:37:04|映画 さ行
ザ・クリエイター/創造者
 あまり宣伝されていないようなんですけど、大当たり。いい映画だと思います。観てよかったわあ。

 近未来の話で、アメリカが最初の舞台です。ロサンゼルスに核爆弾が落ちて、何百万人も死んだけど、落としたのはAIだっていうことで、AIの心臓部をなんとか探し出してやっつけなくちゃイカン、とアメリカは躍起になってるんだけど、なんか他の国(アジア方面らしい)は別にそうは思ってなくて、ので、アジアのどっかに匿われてるんじゃないかってことで、潜入捜査をする、んだけど。。。。、という話。主人公のお兄さんは、かなりいいとこまで潜入してたのに、そこでいきなり勝手な攻撃が起きて、相方を亡くしてしまう。そこから5年後に、死んだはずの相方が生きてるかもしれない、という情報から、軍に復帰して戦うんだけど。。。、

 主人公が連れ歩くことになっちゃう女の子が健気で可愛いんです。で、段々話が逆転する。脚本がいいんでしょう。アジア側のキーパーソンの一人として渡辺謙さんが参加しています。

 大きなテーマは「一方を聞いて沙汰するな」と言えるでしょうね。もう一つは、人を大事にするってどういうことか?という奴。あと、なんか、チベット弾圧を思わせるシーンがあって、なかなか辛いものがありました。

 ハンス・ジマーの音楽が非常にいいです。シュワちゃん版の「トータル・リコール」の音楽を付けた方ですが、相変わらず巧い。SFXも隙が無い。大画面で観た方がいいんじゃないかな。

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2023/11/18 21:16:02|映画 か行
ゴジラ-1.0
 久しぶりに2本立て。一本目はこれ。かなりヒットしてるのが分かるような、席の埋まり具合でした。怖かった〜〜〜。

 神木隆之介君は、ここんとこ大活躍ですね、彼が主人公なんだけど、特攻をするはずが、機体に故障が起きたから、という事で、不時着する。そこには修理班がいるんだけど、機体不良は発見できなくて…、という所から話が始まります。ゴジラの現れ方、暴れ方、色々工夫されてるんですが、とにかく怖い。

 で、あれこれあって復員してみたけど、待ってたはずの家族は空襲で全滅、知らん女と、彼女が連れてた赤ん坊を居候させる羽目になって。。。と話が進みます。戦後の復興とか、その間のアメリカ・ソ連の話等が、リアルです。

 ところが、忘れかけてたゴジラがパワーアップして日本にやってきて、後はもう、暴れまくって東京をガタボロにしてしまう、それをどうすんだ?と話が進むのはいつものパターンといえばそうなんですけど、今回は政府が全く登場しません。全て民間・企業の力でどうにかする、という所が新しい。

 それに、今まであまりゴジラ映画で出てこないような人間ドラマがきちんと描かれていて、要は子供向けではないんです。戦争が裏テーマと言ってもいい。
 
 うーん、昭和のゴジラ映画も色々観てましたけど、ゴジラがいつの間にか正義の味方風になっちゃったのはなぜ?きっと、当時の子供にぜーんぜん味方がいなかったからだろうね。大人どもは説教するか、殴るか、怒鳴るか、理不尽の極み。んな連中をどうにかしてほしかったんだろうなー、子供は。ゴジラは本来は理不尽側だったはずだもの。この映画では、その理不尽が大きく描かれています。

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2023/10/16 0:01:59|映画 は行
BAD LANDS バッド・ランズ
 こういう犯罪映画ってあんまり観ないんですが。今回は予告編に流れてたバッハの無伴奏に引っ張られました。

 無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ、かつて5年くらいかけて全曲練習したわけですが、映画の中で、どういう風に使われるのか、興味があって。あとは、安藤サクラさんですね。彼女、凄いわ・・・・・。

 舞台の大阪・梅田やなんば、確かこないだの「ジョン・ウイック4」でも舞台になってた気がするけど・・・・・全然違うやん!!まあ、ハリウッド映画に出てくる「日本」は、おおむね「JAPAN]っていう架空の国だから・・・・。そこで、振り込め詐欺の片棒を担いで日銭を稼いでいる兄弟(姉&弟ね)がいて、受け子をやってる連中とつるんでます。で、あれこれ事件が起きて。。。。
 最初、どうにも設定がよく分からないので、もやっとるすのは「万引き家族」と同じ、そこからじりじりと状況が見えてきて、後半から展開が速くなるので、そこまでぐっとガマン、って感じかな。ああ、アイポットの映画の解説とはぜーんぜん話が違います。映画観ずに解説書いたんか?

 出来は非常に上質と思うんですが、困ったのがセリフ。どうにも聞き取りづらい。何言ってんだかよく聞こえなくて、話についてくのが大変でしたね・・・。録音に問題多々ありって感じ。残念です。

 安藤サクラさんは、底辺のダサイ女を演じておられますが、従って、服とかは全く目立たないもの。それで、あの存在感だもの、凄い方ですわ・・・・・。

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2023/10/08 23:01:04|映画 その他
MEG ザ・モンスターズ2
 4DXで観たんですが、結構人が入っててオドロキ。面白かったですねえ〜〜〜〜。

 サメ映画って、基本的な筋は同じだと思うんです。とにかく、サメが出てきます。でっかくて獰猛。人が食われるわ食われるわ、で、誰かがサメをぶっ倒します。めでたしめでたし。だから、それにどういう味付けをするか。もう一つ、重要だと思うのは、かの「ジョーズ」が出た後、あれを真に受けたバカな連中がホホジロザメを殺しまくったもんで、気の毒にホホジロザメは絶滅危惧種にまで追い詰められたんですね。危ないところで方向転換、人が食われるのは困る、サメが絶滅はもっと困る、となったから、だから、映画には「これはお話ですよ〜〜、茶番劇ですってば」というテイストが必要。この辺が、実に巧く作られています。

 ということで、今回はサメだけじゃなくて、ウジャウジャ色んなのが出てきて人が食われまくります。しかも、前半は海底ですったもんだ、という、いろんな話が出てきて、しかしスッキリまとまってて、よくできた映画だと思います。別に「1」を知らなくても全然OKっていうのもいい。アトラクションムービーとして、上等だと思います。4dXで観る甲斐ありますよ〜〜。

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