シネマ日乗

最近映画熱がやや復活。旧シネマ日乗から、こちらに乗り変えます。 原則として、アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。その辺、ご留意ください。
 
2018/07/15 22:30:44|映画 あ行
女と男の観覧車
 ウディ・アレンの映画をアイポットで観れるとは〜〜。と、ワクワクしつつ。

 人って誰しもいたわってもらいたい、大事にされたい、って思うじゃない、けど、人をいたわったり、大事にする、って、余裕がないとできない。そういう人達のお話です。ケイト・ウインスレットさんを観るのは久しぶりなんですが、非常に厄介な中年女で、なんかこう、女の嫌なとこをてんこ盛りに見せられた気分。あーあ。

 この映画は、ライティングや色彩設計がうまいです。最初、日に焼けた風の赤っぽい絵で、そういうレトロ風にするのは映画の時制が1950年代だから。それが時に青白くなったり、冷たい色調になったり、そうやって、登場人物の機微を見せるわけですね。ウディ・アレン、やっぱ監督として超一流だと思う。好きにはなれない映画だったけど。登場人物が絞られているので、この話は舞台向きかも知れません。

 うーん、ウディ・アレンさん、かつてミア・ファローと別れちゃって、他の子とくっついたじゃん、すごい年齢差でしたよねえ。もしかして、結婚生活、うまくいってないの?と、つい心配になってしまいました。そういう話だからさ。だーれも救われないラスト。それでいいの?

 公式サイトでアレンの映画、何が好き?という投票をやっていたようです。私が好きなのは、なんったって「世界中がアイ・ラブ・ユー」ですよ〜〜。幸せな映画だったなー。で、その映画で出てきた「ボラボラ島」、この映画でも出てくるし。ボラボラ島ってそんなにいい場所なの?分から〜ん。

公式サイト







2018/07/11 18:59:00|映画 は行
羊と鋼の森
 この映画は、音楽をやってるかどうかで、感想が全然変わっちゃうと思う。音楽映画の難しさというか、やりにくさですね。

 自分はヴァイオリン弾きで、ピアノはそれなりに知ってるけども、この楽器は扱いが難しい。ヴァイオリンやギターは持って歩けますけど、ピアノはほぼ無理、ので、プロのピアノ弾きの人に要求される能力っていうのは、ずばり「対応力」なんですよね。

 作曲家でピアニストでもある、林光さんがかつておっしゃっておられていたのだが、例えばヴァイオリンリサイタルで、ヴァイオリニストが凄い楽器を使っていてもピアノはしょうもないレベルの楽器、というのはしょっちゅうある事で(公民館や学校、あるいはコンサート会場の楽器ですら、手入れがなってないことが多いんですよ)、でも、アンサンブルを成り立たせなくちゃならない、のがプロには要求される、という。これはよく分かる。ヴァイオリンのリサイタルはほぼピアノとの共演になるから。これねえ、ヴァイオリンだけの曲がほぼないからしょうがないんですが、ピアノとヴァイオリンの音ってなかなか合わないんですよ。なぜなら、ピアノは平均律でヴァイオリンはほぼ純正調楽器だから。その辺が語られるのかなと思ったら、完全にスルーだったなー。

 平均律で調律するとなると、例えば、弾き手がよく弾く曲の傾向とかに合わせて調律したりする場合も多い。ドビュッシーとバッハだったら、もう、同じ調律ではダメだ。ドビュッシーの曲には、独自の音階が使われている、一方、バッハはまさに平均律の発明者。かみ合わないのは当たり前で。それを1台の楽器でどう寄せて調律するのか、というような話が出てくるかと思ったのだが。

 姉妹のピアニストのエピソードでは、二人の弾く曲の傾向が全く違うし、その手の話になるのかなあと思ったら、音の質がどうこう、という話になっちゃって。ちょっと違うと思うんだけど。かように、自分の考える話の方向性と映画がずれるので、困りました。

 ということで、主人公のお兄ちゃんが、自分が担当してたピアニストがコンクールで弾けなくなったのをきっかけに全然弾くことができなくなった、のを、自分のせいだってピイピイ言うシーン、深刻なシーンだろうけど自分は笑っちゃった。あのさー、調律師なんぞができることなんか、高が知れてるっての。どんな楽器でも弾けなくちゃ、ピアニストとしてやっていけないんだから。大体、コンクールで使う楽器と、普段の練習楽器は全然違うわけで。じゃあ、調律師は、音楽のどこに、どこまでかかわれるのか?

 音楽って極めて人工的なもので、なのに、人ができることが結構限られているんです。ヴァイオリンだと、ストラドを頂点とした「いい楽器」。金さえ出せば、いい楽器なんかすぐ手に入る。けど、その楽器の性能を引き出せるのかは、弾き手次第。ピアノはより複雑ですけど。造りが精巧なので。

 ので、調律師に要求されるのは、結局、コミュニケーション能力かなあと。お客様のニーズやイメージを掘り出して、その通りの音をつくる。大半の弾き手は、そんなイメージなんかないんだけどね。その辺、この映画ではどう描かれてたかというと、あまりぱっとしなかったけど。主人公のお兄ちゃん、観ていて、あーこういうタイプがオウムとかにはまるんだよなあ、と。マジメはいいいけど視野が狭くて。その人の祖母役の吉行和子さん、一言もセリフはないんだけど、印象が強いです。で、この映画は風景の絵が綺麗です。北海道が舞台なんだけど、四季の一番いいシーンを撮ってます。そのくらいかなあ、やっぱり、音楽やってるから、厳しくなっちゃいますね、どうしても。

公式サイト







2018/07/08 20:25:01|映画 やらわ行
ワンダー 君は太陽
 文科省特別選定・イエローリボンベストファザー賞2018年推奨作品。それだけの内容のある、しっかりした佳作です。子供がいい。生き生きしてて。男の子が主人公なだけに、男の子たちの描き方がいいですね〜〜。男の方はかなり共感するのではないかな。少なくとも、TVがこういうテーマでやりたがる「お涙頂戴」タイプの映画ではない。かなり面白い。こういう描き方がいいと思うんだけどなあ。

 主人公の男の子は、まあ普通の子なんだけども、いわゆる「見た目問題」を抱えてる。そのこともあって、ずうっと家庭学習で学位を取っていた(アメリカでは、別にガッコに通わなくても、勉強ができてりゃ学位は取れる制度になってるのだ)んだけど、日本でいう小学5年生になるところで、学校に通わせてみようと親御さんが決心する。で、私立の小学校に編入学してから、1年間のお話です。日本とちょっと違うのは、アメリカは秋入学なのでハローウインやクリスマスが、年度の途中のイベントで、サマースクールが年度末、そういうアメリカの学校のサイクルが見える、のも面白い映画だと思います。

 あれこれ問題のある子供を抱えている家族は、どうしてもその子に親御さんが前のめりになっちゃって、他の兄弟はあまりかまってもらえなくて。。。という、兄弟の問題も、この映画はきちんと描いています。そういうの、きれい事ではないものね。で、色々波風もたつのだが、基本的にはしっかりした親御さんで、従って、子供も結構たくましく自立してゆく。親がふにゃふにゃしてるとダメなんですよ。
 ベストファザー賞の由来なのだが、お父さんが面白い。奥さんをすごく尊敬してて、意識的に尻に敷かれとるのだ。で、原則あっかる〜〜い。こういうお父さん、なかなかいいですよ。で、お父さんを尻に敷いてる奥さんをジュリア・ロバーツが演じています。彼女の、筋が一本通ってる感じがいいです。大人がいいから、子供が引き立つんだよね。

 びっくりしたのは、この映画、「スターウオーズ」とコラボしてるんです。キャラが特別出演、しかも、かなり重要な役回り。ということで、スターウォーズファンの人は絶対観たほうがいいと思います。

 一つだけ残念だったのは。獣医が役立たずだったこと。あーあ。こういうご家族、患者さんにもいるので、とくに注意してしっかり診ることにしている、んですけどねえ、獣医がこの映画でも使えない奴(出演はしてなかったけどさ)になっちゃって、ガックリ。なんとかなりませんかね。。。。。。。

公式サイト







2018/06/27 22:16:35|映画 さ行
ジュラシックワールド
 今更ですけど、アイポットで4DXで上映と聞いたのと、注目俳優クリス・プラットの出世作だし、シリーズの次の映画のテーマがそれなりに変わってきているようなので、その前に予習ということで。

 このシリーズは1作目がとにかくすごかった。確か車で観にいったのだが、帰り道、横からいきなりティラノザウルスが飛び出してくるんじゃないか、とついつい余計なことを考えてしまうくらい真に迫ってて。ティラノザウルスがドカドカ追っかけてくるシーンとか、ラプトル君たちが悪知恵を働かすシーンとか、まあ、たっぷりハラハラさせられましたね。
 でも、2作目以降は結局見ていない。恐竜どもの描き方が「ケンカ好きの馬鹿」的で、やだなあと思って。「ジョーズ」もそうですけど、スピルバーグが映画のネタに動物を使う場合って、結局プロット止まりで、動物に対して無礼だと感じるわけ。理由もないのに人間を襲う生き物は人間だけです。動物は、まず理由なしでは、何かすることはないんですよね。そもそも、人間を初めて見て、則「食える」っていう風には思わないと思うんですよ。

 さて、この作品では、どうでしょうか?へえ〜〜と思ったのは、主人公がラプトル君たちを躾けてるので。それも、最新のクリッカートレーニング法を使っているのかあ。クリッカートレーニングはトカゲだってしつけることができるので、成程とは思いましたけど。

 しかーし、やっぱり変な連中がいて、そいつらが変な恐竜もどきみたいなのをこしらえちゃって、大騒動になる。で、そいつに追い回される、というのはいつものスピルバーグパニックの定番。「激突!」から変わってないんだけど、それでものせられちゃうのは、うまいんですよね、やり方が。
 最後は、「ゴジラ対メカゴジラ」みたいでした。なんだかなあ。。。。

 大体、ティラノザウルスって、そんなに狂暴か?ないない、ありえない。

 これは、獣医だから分かる。ティラノザウルスは「死体食い」なんですよ。なぜか?当時、地球はめちゃくちゃ暑かった。だから、あれだけのガタイの草食恐竜をホイホイ食わせるだけの植物が繁茂しまくってたわけ。で、あのガタイの生き物が死んだらどうなります?もう周囲5qは立ち入り禁止になる。臭いのなんの、その死臭をかいで、現場に急行して、食べまくって環境浄化をしてたのがティラノザウルスだったんです。その証拠は彼らの体格にある。異常に鼻腔がでかくて、口がでかくて、後ろ足がでかい。すべて死体の現場をいち早く知って急行するため。戦う必要なんかないから、前足は退化と。奴らの成長スピードは超速かった。一々草食獣とケンカして、なんて非効率なことやってたら、飢え死にするのはティラノザウルス側だったでしょう。

 だからさ、どうも観ててしらけちゃうんですよ。ティラノザウルスがこの映画を観たら、失笑するかもねえ。それか怒っちゃうかも。自分らにはもっとインテリジェンスがあるよ、と言うんじゃないでしょうか。

公式サイト







2018/06/16 21:38:04|映画 ま行
万引き家族
 タイムリーな映画。タイムリーな受賞。パルムドールを取らなければ、このテーマの映画にここまで人が来ることはなかったでしょう。見た人は、多分全員、この間アパートで反省文を書かされて亡くなった女の子を想起したはずです。では、じゃあ、こういう子どもをどうすればいいんでしょうか?その答えは映画には描かれていない。我々がどうにかしなくちゃならんのだ。

 ぼろ屋があって、そこにごちゃごちゃ人が何人も暮らしてる。暮らしぶりは、最底辺とすぐ分かる、んだけど、この人達の関係って結局なんなのか、が、実は終盤までよく見えないんです。それが、ミステリーっぽい味付けになっていて、最後まで観る側を引き付け続ける。脚本が秀逸だと思います。

 で、その人達が生活物資を手に入れる方法が「万引き」なんだけど、よくある従来の映画でのこういう話って「プロ」的な話になったり、生活のためやむなく的な、こっちが同情せざるを得ない味付けをしたりするでしょ。それが一切ない。その突き放しぶり、今までの是枝作品とはテイストが全く違う。

 こういう共同体的な暮らしって、意外と多いんじゃないかな、と思う。結婚という契約があれば、他人同士が暮らしても(結婚だって、結局は他人同士の同居という事だから)特段あれこれ言われないけど、契約の有無なんぞ、はたからじゃ分からないしねえ。で、その隙間に子供が落っこちてしまうと、もう、どうすることもできない訳で。じゃあどうやって介入すればいいのだ?

 こないだ女の子が亡くなったアパートには献花が絶えないという。花なんか送ったってもう遅いよ、と私なんぞは思うのだ。特に男性陣、なんでもいいからアクションを起こすべきなんじゃあないの?

公式サイト







[ 1 - 5 件 / 136 件中 ] 次の5件 >>