bata爺ザッパク

 
2023/06/01 17:26:21|Facebook
トップが悪いんじゃないですか
吉永小百合

私が初めて「週刊朝日」さんから取材を受けたのは、1965年です。コラムニストの荒垣秀雄さんとの対談でした。

 政治経済の記事も入っている堅くてまじめな雑誌です。それに、荒垣さんは「天声人語」を長い間書かれた方とお聞きして、私なんて届くことのない世界の方ですから、そうとう緊張してお答えしたと思います。

 でも堅い記事ばかりではなく、おもしろい連載もたくさんあるんですよね。特に「似顔絵塾」には強い印象が残っています。人を描く素晴らしさを感じました。

 私は「夢千代日記」(第1部放送は81年)で胎内被爆者を演じてから、非戦・反核について、言うべきことはきちっと言わないといけないという思いが強くなりました。

 芸能人が社会的な問題についてしゃべる機会や場というのは、なかなかありません。そんな中、「週刊朝日」さんは私の考えを紹介してくださいました。近年は、先に亡くなられた坂本龍一さんがオピニオンリーダーとして、お考えをきちんと言っていらして。私も一緒に活動をさせていただき、見習いたいと思っていましたし、これからもと思っているんですね。

 日本だけでなく地球全体がめちゃくちゃな方向に進んでいる。そういう時代になってきたと思います。だからこそ、きちっと正面から題材に取り組んで書く雑誌には、頑張ってほしいと思っていました。

 そんなときに休刊の発表です。発言の場がなくなっていく寂しさを感じます。トップが悪いんじゃないですか。100年も続いた大事な雑誌をやめるなんて。





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