今年のゴールデンウイークは30℃以上の真夏日に
なったところが続出して大変だったらしい。
私も4/30~5/7までの8日間で6回のポタリング。
総計98.17㎞も走行したのは極めて珍しい。
そこで目立ったのが日傘だった。梅雨の雨傘よりも
日傘が先行するとは異様な光景だと感じた。
ひとひとりいれ歩きだす春日傘 鷹羽狩行
歩くのは人だが「春日傘」が歩だすと詠うところが俳句の
面白いところである。同様に帽子や靴などの動きで
人間の行動を描写することもあるが、すべて成功するとは
限らない。要は俳人の力量に掛かってくる。
上の俳人・狩行の句に刺激されて句作したのが、
独りとは日傘の中の影法師 うさぎ
真夏日の日傘は当たり前の光景となっていて、その情景は
もう刺激的ではない。そこで視点は地上の影へ向かう。
上句は日傘の影で人間の孤独感を描写してみた。
坂登る日傘の影と犬の影 うさぎ
この句は影だけで、犬を散歩させている女性の姿を
描いてみた。ゆっくり歩く女性と、疲れて舌を垂らしながら
歩く犬の姿が「坂登る」で見えてくれば成功だと思う。
閉居とは隅にたためる白日傘 神尾久美子
こんな日傘の句もある。女性ならではの感性がさりげなく
描かれていて、脳裏に一本の白い日傘が見えてくるようだ。
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