内容が重いし、アメリカ近現代史をよく知ってないと(で、日本人の大半が知らない)理解しにくい話ですが、しかし、平日昼にも関わらす席が埋まっていた。日本人って凄いと思いますよ。客層も幅広い。ノーラン監督に対する信頼感、なのかもしれないけど・・・・・・。
登場人物もやたら多いので、観る前に公式サイトで人物紹介位読んでおくといいかもしれません。映画は戦後から始まります。原爆落とした後ってことね。その後のシーンでオッペンハイマー氏の扱われようが、とても「戦争を終わらせた英雄」に対するものじゃないので、ええ?となるわけですが(この辺、アメリカ人は近現代史で習うのかしら?)。その理由っぽい話が続きます。ここで映画は過去に戻る。ノーラン監督らしく、時系列がいったり来たりしがちなので、ついていくのが大変。誰が誰なのか?までは理解しきれなかった点あり、まあ主要な人物については、何とか理解が追いついて、大体内容も考えてた通りだった。成程。
一応科学界に携わってる人間として思うのは。もうさ、学会とかやめたら?論文ったって、最近は査読もままならない、再現性ないじゃ〜ん、みたいなのが増えてるという。だったら、いっそYOUTUBE上で発表しちゃえばいいじゃない。で、色んな批判や意見を受け付ける方が、科学研究をキチ集団の暴走電車にさせないのではないか。
原爆開発中(なんかオウムに通ずるなあと思いましたけど)、このまま突っ走ったらどうなるか、多分誰もが分かってたと思う。なのに、そこんとこを曖昧にしてとにかく完成させにゃ、正義廚みたい(最初は、ナチスに対抗するため、という話になってました。オッペンハイマー氏ご自身がユダヤ系の人だったから、その辺はまあ理解できますが)になっちゃって、それに政治が引っ付いて、その結果、実験して、実行して、と。狭ーい世界でぐちゃぐちゃやってるからそうなる、と自分は理解したのだが。
科学と政治が引っ付くとろくなことにならない、とは思う。でも、今や政治に科学は絶対に必要なものになってる。そのバランスをいかにとるか、やっぱり公平に公開して、しかなさそう。手段としてはやっぱりネットになっちゃうんでしょうか。後は教育。理解する能力を皆が手放さない事、か。
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