槐(えんじゅ)の気持ち

仏教伝来の頃に渡来。 中国では昔から尊貴の木としてあがめられており、学問のシンボルとされた。また止血・鎮痛や血圧降下剤ルチンの製造原料ともなる このサイトのキーワードは仏教、中国、私物語、健康つくり、先端科学技術、超音波、旅行など
 
2022/10/09 18:10:01|あのシルクロード
あのシルクロード(第十三回)

あのシルクロード(第十三回)
【D4-11:ウルムチ・五彩湾C落陽と月】
1)五彩湾の山々は完全なシルエットに
2)人の横顔の輪郭の様に見えてきたシルエット
3) 地平線の彼方に没した夕陽
4)この時刻の空を紺色に染める半月

 
太陽が西の地平線のかなたに沈み始めた。張さん兄弟が待ちに待った瞬間であった。北京時間で、21:15頃から日没が始まり21:30頃には完全に沈み込んだ。落陽を撮ろうとすると、五彩湾の山々は完全なシルエットになってしまうが、肉眼ではまだ山肌の断層模様を確認することが出来る。
 
1)五彩湾の山々は完全なシルエットに
2)人の横顔の輪郭の様に見えてきたシルエット
3) 地平線の彼方に没した夕陽

シルエットとしてみると、またしても人の横顔の輪郭の様に見えてくる(写真)。一分ほど後に、違う角度から観ると、まだ地平線に接していない(写真)。完全に地平線の彼方に没するまでに、更に30分足らずを要した(写真)。
 
 4) 空を青く染めているのは地平線にまだ没していない太陽の残光の為
小山のふもとの方まで降り、そこから東方の上空を見ると、今度は五彩湾の小山のシルエットが紺色の空に黒く浮かび上る。これは五彩湾の小山の高さよりも太陽の高さが低くなり地平線までは至ってないためである。
空を青く染めているのは地平線にまだ没していない太陽が位置するからである(写真)。
 
5)平安時代の歌人がもしこの景色を見たら
カメラに収めると小さくなってしまう月影であるが、目でみる月はもっと大きく見え、魅力的であった。平安時代の歌人がもしこの景色を見たら、どの様な詩を作るだろう。張さん兄弟は堪能しただろうかなどと思いながら車をとめていたところまで戻った。
 
6) 同じ浙江省からの観光客、互いの冒険心を御互い讃え合い
張さん達とおなじ目的で、しかも杭州からやってきたキャンピングカーでやってきた家族と偶然出会い、何事か語り合っていた。きっと、この素晴らしい五彩湾の光景を共有できたこと、そして、長時間(張さん達は20日)かけて浙江省から車でここまでやってきた冒険心を御互い讃え合い、かれらがこれから目指すカナス湖(張さんらは観光済み)についての情報交換をしたのかかも知れない。車のバックナンバーから同じ浙江省在住ということが分かったとのことであった。
 
 7) 夜のサバイバルレース、棘にやられパンクのパジェロ
帰り道は夜のサバイバルレースの感があり、凹凸が激しいだけでなく、いばらの棘をも踏み潰してゆくドライブで、さすがのパジェロもその棘にやられパンクをしてしまい、途中でタイヤ交換といった、思いがけないハプニングがあった。このため、遅い夕食がタイヤ交換した地点で、ナンと西瓜とキューリの食事となった。それほどの空腹感がなかったので、これで十分だった。
 
そして、結局ウルムチに帰りついたのは、日が改まった北京時間の午前2:00頃であった。
 
【D5-1:ウルムチ・博物館】
8)新疆ウィグル自治区博物館
前日の天池、五彩湾観光からの帰りが遅かったことと、疲労が残っていたこともあり、出発は北京時間10:00である。一日中ウルムチ市内の観光で、張さんの車パジェロで、案内してもらえることになっていた。最初の訪問先は、新疆ウィグル自治区博物館である(写真)。斬新なデザイン、シリンドリカルな曲面とモスクの丸屋根を模した屋根。漢民族とウィグル族の融合された文化を展示していることが推察される。30元の参観券を購入し、石畳の通路を建物正面に向かってゆく。
 
9)新疆で発掘されたミイラの陳列、新疆の革命の資料
参観券の博物館の容姿と写真上1の容姿とは少し異なる。石畳の両側の緑の様子が違うのである。そこは丁度工事中であった。参観券には、新疆歴史文物の陳列、新疆で発掘されたミイラの陳列、新疆に澄む種々の民族の習俗の紹介、新疆の革命の資料と書いてあった。
 
10)次々と買い物を促してくる博物館専属ガイド
ここでは、予め駱さんが博物館専属ガイド(男性)を雇ってくれていた。建物の入り口にあるロビーで顔を合わせて案内されたコースに土産物店があり、次から次へと、買い物を促してくる。昨年の杭州の博物館で苦い経験があるので、要注意である。日本語の説明資料があれば購入したいと思っていたが、ホータンの玉石でできた夥しい量の宝飾品の中にラビスラズリのペンダントが目に入って、思わず歩をとめてしまった。ラビスラズリは中国では青金石というのだそうで、ラビスラズリの中に金が分散しているとのこと。
 
11)ラビスラズリのペンダントを6割引きで購入、家内への土産に
ラビスラズリのペンダントは自分が最初に書いた短編小説「運河の漣」の中で重要な役割を果たすのである。提示された最初の値段は25000円であったが、家内から餞別としてもらっていた金額に等しい10000円まで値切り、家内へのお土産とした。
 
博物館内のミイラ等展示品の状況は、どんな観光案内書にも詳しく書かれているので、ここでは省略する
 
ロビーまで戻ると、張さんが石製のベンチの上で居眠りをして待っていてくれた。昨日の疲れがまだ残っているのだろう。
 
12)昼食はレストランで 新疆名物ラグ麺を食す
博物館を後にして、昼食を摂りに車で市内を巡っているうちに、ウルムチ市民に人気があると言われているレストランへ連れて行ってくれた。レストランといっても、日本によくある夫婦でやっているラーメン屋の様なところである。時刻は北京時間で、14:30、新疆時間で12:30で丁度昼食時である。にも関わらず、客は自分達3人だけである。ラグ麺を手打ちしているところが見れる(写真)一番奥の席に座り、当然の如くラグ麺(写真)を注文した。
      本稿  完    次稿へ続く
 







2022/10/06 22:10:11|あのシルクロード
あのシルクロード第十二回

           あのシルクロード第十二回
【D4-7:ウルムチ・天池から五彩湾へA】
五彩湾観光は、当初自分が希望した観光地には入っていなかった。ところが、ウルムチ出身の張さんも訪れたことがなく、また写真をとることが趣味である彼にとって、五彩湾の夕景は垂涎の出る被写体で、見逃すことは出来ない。自分も写真を撮ることが好きだと駱さんに以前から表明しているので、是非一緒に行かないかと誘われ同行することになったわけである。当初天池一日、五彩湾一日と計画したが、私がウルムチに着く時刻が深夜であること、夕刻近くに五彩湾に着くようにするため、天池と五彩湾をセットにしたコースになったわけである。
1)移動途中の光景、五彩とは、湾とは、どのような地形?
2)GSで給油、時計を見ると時刻は夕刻、だが真ッ昼間のように明るい
3)野生の馬に遭遇、群れではなく、こちらを振り向くでもない。
4)五彩湾入場門
5)斜面に断層が現れ、色彩豊かな小高い山(丘?)があちらこちらに
6)異なる表情を見せ、どの小山も断層の境界線の位置は同じ
7)五彩湾ハイライト地点の麓
8)色々な動物に見えるシルエット
9)様々なシルエットを提供する場所毎に異なる容貌の小山
10)そのシルエット羽を広げ空を飛んでいる蛙怪獣、”ケロゴン”か
11)乙女の探査
12)小山の山肌に刻まれている自然の造形の変化
13)五彩色の時間的変化
14)麓の方から眺めた時に,最も高くみえた小山に登頂
15)ひび割れして、柱状結晶からなる層状剥離片がばらまかれたかの様に散在
16)青板ガラス(鉄イオンを溶解したガラス)の様な破片

 
 
1)移動途中の光景、五彩とは、湾とは、どのような地形?
ウルムチ、天地、五彩湾は倒立した三角形の三点A,B,Cにあり、下の頂点Aがウルムチ、上の右側の頂点Bが天池、そして上の左側の頂点Cが五彩湾である。辺ABの長さは110km、辺ACの長さが160km。そして、このセッション「天池から五彩湾へ」は辺BCを移動するのである。この移動は変化に富み、五彩とは、湾とはどのような地形を言うのであるか、興味深々の車中の旅で、全く飽きの来ない道程であった。本稿は、この移動途中の光景を綴ったものである。ここではそれまでの国道に別れを告げ、地形がダイナミックに変化し、走行する道路は舗装されていず、砂埃を舞い上げ、凹凸の激しい道を耐久レースの様な感覚で目的地にたどり着こうとする過程である。
国道からそれる直前では、トルファンで見たような縦縞に風食された小高い山がみえた。山とその周囲に緑は全く認められず、その色はダーク・グレーであった(写真1)。
 
 2)GSで給油、時計を見ると時刻は夕刻、だが真ッ昼間のように明るい
そして、少しゆくと分岐点に差し掛かり、ここにあったガソリンスタンドで給油。給油の間、車から降り、まわりをみると色鮮やかな小高い丘が目にはいった。茶色というよりピンクというべきかも知れない(写真2)。ここで北京時間で、19:17、ウルムチ時間でも17:17で夕刻に近い。
 
3)野生の馬に遭遇、群れではなく、こちらを振り向くでもない。
国道からすでに逸れた道に入りこんでいるが、次に見えた有彩色の小高い山、これも橙色と言って良い鮮やかな色である。(写真3)
 そして更に進むと珍しい光景に出くわした。やや草原がかったところで、野生の馬が一頭だけ、草原に戯れている姿が目に入った(写真4)。この時、天池からすでに3時間、五彩湾真近のところまで来たようだ。
 
【D4-8:ウルムチ・五彩湾@】
4) 五彩湾入場門
北京時間で、20:18、天池から約4時間かけて、やっと五彩湾入場門にたどりついた(写真5)。ここで入場料を支払い、門をくぐり、ハイライトとなる場所に更に車で乗り入れる。
入場門が落す影が相当長くなっているのに上空がいまだ暗くないのは、斜めに地上に射し込む太陽光線をさえぎる山などが、広い範囲で無いからであろう。
 
5) 斜面に断層が現れ、色彩豊かな小高い山(丘?)があちらこちらに
そして更に奥に進み、斜面に断層が現れ、色彩豊かな小高い山(丘?)があちらこちらに見えるようになってきた。(写真6)夕刻なので、僅かな凹凸でもブラックストライプが入りコントラストがはっきりしてきて山の表情が豊かになる。
 
 6) 異なる表情を見せ、どの小山も断層の境界線の位置は同じ
形が似ていて、すぐ隣同士の小山でも,縦縞線の配列密度や色彩に差異があり、異なる表情を見せる(写真7)。この写真でも左側の小山は色が赤茶けているが、右の小山は色がモスグリーンで、縦縞の配列密度が左側よりも小さい。ただ一つ共通しているのは、断層の境界線の位置である。
 
この様に色が異なるのは、同じ鉄を含んだ鉱石でもその鉄のイオン価が三価の場合(赤茶)と二価(青)の違いか、鉄を含む鉱石(赤茶)と、ニッケルや銅を含む鉱石(黄緑)との違いかいずれかであろう。新疆・ウィグル地区の鉱物資源は鉄、ニッケル、銅、錫、石炭とのことなので後者の憶測がなり立たないわけではない。鉄錆の赤茶か、青板ガラスの青(緑)か。
 
 7) 五彩湾ハイライト地点の麓
北京時間で、20:30ついに五彩湾ハイライト地点の麓まで来た。ここまでは水平移動だったがこれからは断層の見える小高い山に登ってゆき、もっとも眺望豊かな小山にたどりつく、と言う垂直運動が主の移動となる(写真8)。人の影も相当長くなり本格的な夕刻に入って行く。張さんにしたら時間配分がうまく行き、ニンマリというところであろう。
 
この山登りに対して、何の注意書きも断り書きもない。気の向いた小山を選び注意深く昇って行くのみである。他の4人は自分より15歳以上も離れている。体力の差は明らかである。しかし、身体と気持ちを奮い立たせる絶好のチャンス。頑張って付いてゆくことにした。
 
【D4-9:ウルムチ・五彩湾A】
8)色々な動物に見えるシルエット
湾の中に入ってみると、色々な形の小山があり、そこに夕陽が当たり、シルエットを演出する。シルエットは、その気になると色々な動物に見えたり、人に見えたりする。空に浮かぶ雲の形が色々な動物に見え、それが潜在的な自分の心象を表したりするのと似ている。
 
9)様々なシルエットを提供する場所毎に異なる容貌の小山
雲は時間的に刻々と変化して行く。即ち、時間軸に対する変化である。それに対し、ここでは場所毎に異なる容貌の小山がたくさんあり、それぞれ異なるシルエットを提示する。即ち空間軸に対する変化である。
 
写真9のシルエットは、二人の人の顔で、上のシルエットはやや上を向いた顔、そして、下のシルエットは水平方向を眺めているように見える。
 
10) そのシルエット羽を広げ空を飛んでいる蛙怪獣、”ケロゴン”か
写真10のシルエットは、羽を広げ空を飛んでいる蛙怪獣、”ケロゴン”か。
 
11)乙女の探査
そして写真11は、両耳もとで、髪の毛を丸め、空中を飛びながら地表にある何かを探している乙女の姿か。
 
12) 小山の山肌に刻まれている自然の造形の変化
シルエットだけでなく、小山の山肌に刻まれている自然の造形も、見ようによって、いろいろな姿に見える。写真12も然り、狼が口をあけ、何かに襲いかかる直前の姿そのものである。
 
この様に、ここ五彩湾の小山はそれぞれ異なる姿を呈しているが、もし西遊記に現れる三蔵法師の一行がここを通過していたら、どの様な妖魔を登場させただろうか。
 
断層の境界から黒い汁が染み出して来て、それがシルエットと化し、三蔵法師に向かって、「何千万年もの間、断層の境界に閉じ込められた霊魂で、閉じ込められてしまったために、霊魂は三途の川へも旅することが叶わず、成仏できていない。お経を読んで成仏させてもらえないか」と言い寄り、お経を読み始めたら三蔵法師を罠に落とし、まるまると肥えた新鮮な肉を食べてしまおう、という下心があった。かも知れない。
 
妖魔たちは何千万年もの間、乾いた空気ばかりの食事で、水分、たんぱく質、脂肪といった栄養にありつけなかったのであり、これらの栄養素を口にしないと、もはや生きて行くことが出来ないところまで来ていたのだ。必死の形相をしまって、ごく柔らかく、人間に好かれるシルエットに化けて三蔵法師一行を、襲おうとしていた。かも知れない。
 
シルエットや自然の造形を眺めていると、ついついその様な妄念が次々と頭をよぎるのであった。
 
【D4-10:ウルムチ・五彩湾B】
既に時刻は北京時間で21:30、ウルムチ時間でも19:30、普通であれば、夏とは言え夜の帳の落ち始める頃。しかしここには地を這うような太陽光線を遮るものが無いため地平線のかなたに太陽が落ちるまで明るいのだろう。
 
13)五彩色の時間的変化
この時刻でも、陰によって覆われていない小山は小山の断層と、断層ごとの色を明瞭に識別できる(写真上1)。その色は、黄土色、だいだい、白灰色、黄色、赤茶色、で時刻とともに五彩色が変わってゆくようでもある。このうち頂上を覆っているのは、グレー、黄土色、白,黄緑色の場合が多く、赤茶色は殆どの場合、断層部を彩りしている。(写真上2)。
 
14) 麓の方から眺めた時に,最も高くみえた小山に登頂
膝をがくがくさせながら、ついに麓の方から眺めた時に,最も高くみえた小山に登りつめた。振り返って見ると、眼下に他の小山群や、駐車してきた車や米粒の様な小ささの人の姿が見える(写真上3)。また足元の地層は、ヒビわれを開始しているようにも見え、下手すると体重によって、その地層(厚さ20mm程度)が層状剥離を起こし、人もろとも落下するのではないかという恐怖に囚われた。その一方で、この素晴らしい眺望にしばし見とれ、胸の奥に非破壊の記憶に残る様、しっかり眺めるばかりであった。
 
15)ひび割れして、柱状結晶からなる層状剥離片がばらまかれたかの様に散在
ところで、この足元の地層の一部は既に粉々にひび割れして、層状剥離し、その剥離片が至るところに散らばっている。その剥離片となる直前の断層を所々で見かけた(写真上4)。この剥離片の断面を観察すると、厚さ20程度の剥離片は二層または三層になっていて、中央部の層は、おなじ高さに成長した柱状の透明な(単)結晶がびっしり面状に配列し、その両面、または片面を砂礫層が覆っているという構造になっている。
この砂礫層は層状剥離に関与しているようで、剥離片の両面に付着している場合もあるし、また片面のみに残っている場合もある。この砂礫層には無数のキラキラと星の様に輝く結晶片が散りばめられている。
 
この柱状結晶が何であるか、きわめて興味深く、小さな破片を拾ってウェスト・バックの小さなポケットにしまいこんだ。いつか調べてみようという訳である。その場での推測では、水晶、石英系の結晶と観たが、分析してみないと分からない。後日、それを専門家に見てもらい意見を頂いたがそれについては後述する。
 
16)青板ガラス(鉄イオンを溶解したガラス)の様な破片
その様な魅力一杯の五彩湾だが、一つだけ気になったことも記しておく。前記した剥離片がいたるところに散在しているのだが、ところどころに青板ガラス(鉄イオンを溶解したガラス)の破片が散らばっていて、これは自然に現れたのではなく、人がばら播いたのではないかと思わせるような散らばり方をしているところが、何箇所もあったことである。黄緑色に見える正体がこれではないかと疑いたくなってしまったのは残念なことであった。
ただ5年ほど経った時に専門家に見てもらったが、青板ガラスでも水晶や石英系の決勝ではないことが分かった。分からないままにしておく方がロマンがあって良いかもしれない、ということで五彩湾の稿を完としたい。
 
       この稿  完    次稿に続く
 
 







2022/10/03 21:14:13|あのシルクロード
あのシルクロード(第十一回)

あのシルクロード(第十一回)
【D4-5:ウルムチ・天池5】
1)記念写真撮影ポイント
2)聖水祭壇
3)五彩湾の夕陽に合わせた時間調整
4) 駱さんの人間性を垣間見た

 
1)記念写真撮影ポイント
モーター・ボートから降り、湖畔を眺め回すと、いたるところに記念写真を撮るポイントがあり、貸し衣装なども備わっている。ウィグル族の女性はカラフルで特徴ある服を着る。その服の色がたくさんあり、多種類のカラーのコンビネーションのうち、観光客が選ぶ選択肢を増やすため、多くの貸衣装が陳列されるハメになる。その様子もまた風情を感じる(写真)。
 
2)聖水祭壇
そして、少し歩くと「聖水祭壇」と書かれた碑が目に入り、そこで記念写真を撮った(写真)。更に少し斜面を登るように歩くと、やっと「天池」と赤く記された石碑が現れ、ここでは、多くの観光客が記念写真を撮っているので、少し順番待ちをしてやっと写真を撮ることが出来た(写真)
 
 3) 五彩湾の夕陽に合わせた時間調整
時刻は北京時間で16:30、新疆時間で14:30。本日のハイライトの五彩湾の夕陽をとることを楽しみにしていた張さん兄弟にとって遅すぎてもそれに間に合わないし、早すぎても手持ち無沙汰に夕陽が拝めるまで待たねばならない。
天池の観光をしながらも、頭ではその時間調整をしていたに違いない。そろそろ良いころだと思ったのであろう。「では帰りましょう」の張さんの一声で、駐車場まで降りてゆくマイクロバスの停留所方面に向かった。名残惜しげに天池で最後の写真を撮った。この写真には極めて偶然にもトンボが画面にアクセントをつけてくれているかの様に、遊泳している姿が写っている。
 
 4) 駱さんの人間性を垣間見た
ところが、ここでミスったことをしてしまった。往復乗車券がないと、マイクロバスで駐車場まで戻れないのだ。どのポケットを探ってみても出てこない。とにかくポケットの数といえばとんでもなく多く、更にウェストバックを二つ腰にぶら下げている。それらを合計した数は20以上にもなる。どのポケットにしまったか忘れてしまっているし、ポケットにしまう時しっかりしまいこまなかったので、途中で落としてしまった可能性もある。
 
他の3人は先にマイクロバスに乗って下山して、駱さんがみつかるまで付き合ってくれた。この時、また駱さんの人間性を垣間見た気になった。
結局は見つかったのでほっとしたが、見つからなかったらどうしていただろう、と冷や汗が出た。
 
以上で、天池を後にして、五彩湾に向かうことになる。五彩湾は始めて聞いた名前であり、予備知識が全くなかったが、後で振り返ると今回の新疆ウィグル自治区の旅(シルクロードの旅)観光地となった。
      本稿  完  次稿に続く
 







2022/09/27 21:08:28|あのシルクロード
あのシルクロード紀行(第10回)

あのシルクロード紀行(第10回)
中国 新疆・ウィグル地区の旅(シルクロードの旅)-18-
【D4-3:ウルムチ・天池3】
1)ウィグル人のパオの中で昼食

2)パオの外では乾燥中の干しシイタケ
3) 天池を取り囲む山々や冠雪したボゴタ峰
4) モーターボートで天池湖面をゆく
5)西王母について再記;「山海経」では、半人半獣という恐ろしい姿で登場
6) 湖面から、冠雪した天山ゴボタ峰をモーター・ボート遊覧


1)ウィグル人のパオの中で昼食
湖の周り歩き、ほぼ景色については堪能できたところで、北京時間で既に14:00を過ぎていて昼食時であり、多分駱さんかご主人がフィックスしてくれていたのだろう。パオの中で昼食をとることになった。パオの住人は少数民族、多分ウィグル人。湖の周りには多くのパオがあり、宿泊も可能ということなので、そのウィグル人はパオの持ち主かも知れないが、普段ここに住んでいるわけではなかろう。
 
パオの中に入ってみると、色鮮やかな寝具やら座布団、帽子が目に飛び込んだ。そして採光の為か、一部が開放状態となっている。ここで駱さんのご主人とのツー・ショット(写真)
 
そして多分パオの住人のうちの長老か、主人が座るであろう位置にどっかと腰を下ろし、頭には帽子をかぶりチーズ!では無くて中国の人は一、二、三(イー、アル、サン)と唇を動かし写真を撮ってもらった。(写真)
 
パオの中では、馬乳茶を飲んだ。熱い馬乳にお茶の葉が浮かべられているが、乾いた喉には非常にうまく、たちまち三杯ほど飲んでしまった。
 
そして、間もなく料理が運ばれてきた料理はチャーハン、ポロ、シシカバブ、パン、ナツメのドライフルーツ、干ししいたけ(写真)。 このうちポロはラグメンと並ぶ代表的なウィグル料理で、どの様な食べ方をしたら良いのか分からず、だれか食べるのを待っていたが、誰も箸をつけず、食事を終了してしまった。
 
2)パオの外では乾燥中の干しシイタケ
パオを出ると、すぐ側でしいたけを白い粉末の上で干していた(写真)。

【D4-4:ウルムチ・天地3】
3) 天池を取り囲む山々や冠雪したボゴタ峰
パオでの遅い昼食を済ませ、先程のパオの管理人主人(先程まで相手をしてくれたのは奥さんか)の運転する小型バンで元の場所に戻る。そして湖面の方に降りて行き、湖面から天池や、取り囲む山々や冠雪したボゴタ峰を眺め写真を撮ることになった。湖面に舟を浮かべるというのがその端的な方法である。

4) モーターボートで天池湖面をゆく
丁度観光用モーターボートを貸し出していたので、それに乗り込むことにした。湖面には舟が通った後の幾筋かの水面の波痕が見え(写真)、また小さな漣のような白波が見える。これも観光遊覧船か、モーターボートのスクリューが造りだしたものだろう。
 
西王母廟の方にボートが向かったので、再びカメラに収める。陸から摂った写真に比べ、他の近くにある建造物が良く見える。(写真)
 
5)西王母について再記;「山海経」では、半人半獣という恐ろしい姿で登場
「中国の神様」二階堂義弘著(平凡社新書)では西王母は道教神に分類されている。そして民間信仰に関する色々な物語の中では、天界に関わる全ての神を統括する最も位の高い玉帝と共に登場することが多い。と紹介している。この本に「絵図列仙全図」に掲載されている西王母を見ると、温和な中年婦人で、隣の侍女が桃を持っている。しかし、中国最古の地理書で、中国各地の神話を伝えている「山海経」では、西王母は豹の尾に虎の歯にザンバラ髪という半人半獣という恐ろしい姿で登場するのだそうである。

 6) 湖面から、冠雪した天山ゴボタ峰をモーター・ボート遊覧
湖面から、天山ゴボタ峰を見やると先程よりは冠雪した部分が大きく見えている。そしてその手前に見える山の斜面には尖った岩が沢山あり、その岩の無いところはびっしり隙間無く、緑の絨毯が敷き詰められているのが分かる(写真)この緑の絨緞(草木)に花が咲くことがあれば、さぞかし壮観であろう。
 
我々クルーの乗ったモーター・ボートは湖面にひっかき傷を残し、鏡に傷をつけてしまったようで(写真)、申し訳ない気持ちを持ちつつ短時間で、モーター・ボート遊覧は終了した。
 







2022/09/26 23:01:58|あのシルクロード

あのシルクロード第九回
中国 新疆・ウィグル地区の旅(シルクロードの旅)-16-

【D4-1:ウルムチ:天池1】
1)一日でウルムチから天池、五彩湾と一挙に観光の強行軍
2)絡暁蘇*張乃宁さんペア、張乃佳*裘国娟さんペア、そして自分の計5名の観光クルー
3) 空を写す鏡の様な天池の湖面
4) 眼下に、勢い良く流れる川は天山山脈⇒天池⇒堰(せき)越(こえ)の水⇒川
5) 眼前に天池、その彼方に天山山脈の山(ボゴタ峰=5445m)

 
1)一日でウルムチから天池、五彩湾と一挙に観光の強行軍
手元にあるトルファン観光本には天池のことを、
「天池とトルファンは新疆に行く観光客は中国人、外国人を問わず必ず行く観光地である。天池は独特な高山、湖の風光と西王母についての素晴らしい伝説があるので、人間仙境みたいな雰囲気が溢れる。トルファンは、・・・・」とある。
 
D4(7/23)はウルムチから天池、五彩湾と一挙に観光することになった。
 
2)絡暁蘇*張乃宁さんペア、張乃佳*裘国娟さんペア、そして自分の計5名の観光クルー
この日は、駱さんのご主人の張乃宁さん、張さんの弟さん夫婦、張乃佳さん、裘国娟さんの計5名のクルーとなり、張乃宁さんの愛車三菱パジェロ(但し合弁企業製)と、弟さん夫婦がウルムチで調達したレンタカーに分乗することになった。
 
天池に到着したのは、北京時間11:00ころで、天池の麓の駐車場には既に多くの車が駐車していて、観光バスも乗り込んで来ている。一瞬今日は日曜日かと思ったが月曜日である。そうではなくてウルムチから適度の距離(110km)なのと、ウルムチ市の人口(200万人)の相乗効果によるものだろうと考えを落着させた。
 
 3) お寺のお堂の様な観光案内所
先ず目に入ったのは、お寺のお堂の様な観光案内所?または観光案内所らしきお寺のお堂で(写真)、その前を通りすぎ、ゴンドラの麓駅に向かうと、すでに長蛇の列。
 
ただしゴンドラをとめないで人を乗せて行くので、流れは順調、マイクロバスで昇ってゆく選択肢もあったが正解であった。100元の観光乗車券で、往復とも選択できるので、帰りをバスにした。
 
最初のゴンドラを張さん兄が、次に自分と駱さん、次のゴンドラに張さん弟さん夫婦が乗り込んだ。
 
 4) 眼下に、勢い良く流れる川は天山山脈⇒天池⇒堰(せき)越(こえ)の水⇒川
間もなく眼下に、勢い良く流れる川が見えた(写真)。天山山脈から流れ出た水が天池を十分潤し、その天池から、一定の堰を越えた水が流れ出し川となっている。
 
ゴンドラの背部には「歓迎乗坐天池索道」と書いてある(写真)。その背面の覗き孔から張兄さんがこちらに向け写真をとっている。カメラはソニーのサイバー・ショットか。
 
更に昇ってゆくと、中国寺院独特のカーブを持った稜線の屋根を持った小さなお堂が目に入った(写真)。まだ新しい建物の様であり、全く想像の域を脱していないが、西王母を祀ったものか?ウルムチに住む金持ちの華僑が寄進したかも知れない。
 
【D4-2:ウルムチ・天池2】
5) 眼前に天池、その彼方に天山山脈の山(ボゴタ峰=5445m)
6)西王母伝説 「穆(ぼく)天子伝(てんしでん)」
7) 「西遊記」と「西王母」 別名「瑶池金母」、「王母娘々」

 
5) 眼前に天池、その彼方に天山山脈の山(ボゴタ峰=5445m)
ゴンドラを降りると眼前に天池が現れる(写真上1、4枚組み)。まるで十二単の重ね合わせの様に山が交互に重なり合い最後に冠雪した天山山脈の山(ボゴタ峰=5445m)が十二単(ひとえ)を着ている姫様の頭の様に乗っかり、湖面は白波が全く見えず、”空を写す鏡の様な湖面”との表現が的を射ている。その湖面の色は、見る位置によって変わる。
 
朝日新聞刊「シルクロード紀行No.6天山北路」ではレポーター(作家角田光代さん)は、「湖は青白く澄んで、ピタリと動かないから、まるで巨大な鏡のようだ。」と表現している。
 
雪が舞う季節に行くとそうなるのかも知れない。
 
駱さんからは高地(標高2000m)にあるので、真夏でも寒いかもしれないので上着を持ってきた方が良いといわれていたが、ウルムチのホテルに預けたバッグには入っているものの、持ってくるのを忘れてしまった。しかし、他の観光客やご主人の張さんや弟さん夫婦だれを見ても半袖の人ばかり、寒いといった感覚はまったく無かった。
 
6)西王母伝説 「穆(ぼく)天子伝(てんしでん)」
この池が神秘の湖と言われるのは西王母伝説があるからであろう。
 
西王母は本来崑崙山に住む最高位の女仙で、絶世の美女といい、周の穆王を美しい瑶池でもてなしたその池が、天池であると伝えられている(「穆(ぼく)天子伝(てんしでん)」)。
 
湖を囲む山の斜面に西王母を祀る廟が容易に見つかる(写真)。崑崙山は西方にそびえる霊山のことで、崑崙山脈のことではないので、崑崙山=天山であっても良いわけだ。
 
7) 「西遊記」と「西王母」 別名「瑶池金母」、「王母娘々」
「西遊記」では、西王母は天界の仙桃を管理していて、そこに孫悟空が桃を盗みに行くところに登場する。また別名「瑶池金母」とか、親しみを込めて「王母娘々=ワンムーニャンニャン」と呼ばれるとのこと。そんな話を思い出すと、益々神秘的な湖の貫禄が出てくる。
(写真),そして周囲の山も神々しくなってくるから不思議だ。
 
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